『光る!ウルシの木のオーナメント』2023 リリース!
「ウルシの木の活用プロジェクト」とは、
漆を採取した後のウルシの伐採木をリサイクルで収益化して、
それを生産者に還元し、
漆産業を循環型産業へと後押しする取り組みです。
そのプロセスを学生や異分野の人々と協働することで、
日本のサステナブルな木と漆の文化を周知し、
この価値を未来に繋いでいくことも、
もう一つの大きな目的です。
未活用のウルシの木に新たな価値を生み出す取り組み
漆は漆器だけじゃない!ウルシをもっと身近に、サステナブルに。
つなげようウルシの輪
「ウルシの木の活用プロジェクト」は、未活用のウルシの木を商品化=収益化して、漆掻きやウルシの木の植栽に従事する方たちの収入源をサポートすること、また活動を通して広く支援の輪を広げることを目標としています。
■漆はサステナブルな自然素材
日本の伝統工芸、神社仏閣、お椀など漆器に使われる「漆(うるし)」は、「ウルシ」という樹木から採れる樹液。つまり自然の素材です。日本では縄文時代からおよそ1万年ものあいだ、人々は漆を植え、育て、暮らしに活かしてきました。
日本のサステナブルな木の文化の代表ともいえる存在です。
■いまウルシが足りません
いまは便利な石油製品に押され、漆の消費も生産者も激減した結果、日本は国内需要の9割以上を輸入に頼るようになりました。需要のないものが廃れていくのは必然かもしれません。しかし、日本の木と漆の文化はいま世界が求めるサステナビリティを体現する社会です。日本の食文化にも漆器は無くてはならないものであり、さらには重要文化財の修復にも国産漆が欠かせません。
日本の漆を残せるかはいまが正念場。
まずは、ウルシの木が足りません。全国でウルシの木の植栽が始まりました。
■見えてきた課題
植栽とは「植えて栽培する」こと。苗木を植えることよりも、漆が採れるまで育てる約15年間の継続が大変なのです。下草刈りや病虫害・獣害の対処、施肥などの管理コストと人手がかかる一方で、それを賄う収益はありません。ウルシの植栽は、その費用とマンパワーのほとんどを、漆搔き職人やボランティアに頼っています。このことは、後継者不足にもつながっています。
解決すべき課題が見えてきました。
・ウルシ植栽活動と漆掻き職人の収益向上
・長い植栽期間の担い手増加
■ウルシの木の活用プロジェクト 始動!
漆の採取を「漆掻き」と言います。漆掻き後の木は多くの場合伐採されて、次の蘖(ひこばえ)の成長を促します。そして、伐採された木はそのまま使われることなく廃材となっていました。
私たちはこの伐採木に着目しました。これを活用して収益を生む方法があれば、漆掻き職人や植栽関係者の収益を上げることができます。
2020年春、「ウルシの木の活用プロジェクト」が始動しました。
■個性ある木材
木を使った商品は身の回りにたくさんあります。ウルシの木の商品化も比較的簡単なように思われるのですが、実際にはなかなか一筋縄ではいきませんでした。
●樹齢15年ほどで細く不揃い。一般的な木材の規格に合わない。
●水分が多く乾燥が難しい。
●漆(樹液)が乾いていないとかぶれる可能性があり、製材・木工業者が敬遠する
一方で、魅力もあります。
●かぶれるのは樹皮近くのみ。なかの心材部分はかぶれない
●軽くて加工しやすいやわらかな木質とその風合い
●優しい黄色で、草木染めの一種「ウルシ染め」の染料になる
●抗菌効果がある
■漆かぶれに関して
樹皮をはがした内側の黄色い部分(心材)には「漆」、つまり樹液は含まれません。
よって、触ってもかぶれません。
ウルシピクニックのウルシ木材加工製品は、この樹皮部分を落としてから製作しています。
正しい理解を広げ、漆とウルシの木の活用が促進することを願っています。
■産学協働で木と漆の持続可能な社会を未来へ
ウルシの木材としての課題を克服し、魅力を活かした商品を開発して収益を植栽活動に還元するのが「ウルシの木の活用プロジェクト」です。
私たちはこのプロジェクトを産学協働で、以下の目標を掲げて取り組んでいます。
①ウルシの伐採木をリサイクルして収益化
学生も参加して、自由な発想で商品を開発。全国のウルシ植栽活動や漆の生産に従事する人々の新たな収入源を創出します。
②支援の輪を広げ、木と漆の文化を未来へ
商品を作る過程を幅広い分野の方々と取り組むことによって、漆文化とウルシの木への理解や地域交流を広め、漆産業を次世代に続く持続可能な産業として育てていきます。
■本プロジェクトに関するお問い合わせ先
協働や商品の販売等にご関心のある企業・大学・団体・個人の皆様からのご提案・お問い合わせを承っています。
Email: urushipicnic@gmail.com
FEEL J株式会社 代表取締役
「ウルシの木の活用プロジェクト」主宰
加藤千晶