ウルシピクニックとは
ウルシピクニックとは、日本に1万年続く木と漆のサステナブルな文化を未来に繋ぐため、日本全国のウルシの木の植栽を応援する活動です。
漆はウルシの木から採れる樹液。いまウルシの木が足りません。
木の植栽は、ただ植えればいいのではありません。苗木から漆掻きができるように育つまで約15年。木を育てるって案外大変です。でも育てる喜びややりがいも盛りだくさん!せっかくだから楽しみましょう!ピクニックに出かけるみたいに。
なぜいま「漆(うるし)」なのでしょう。
伝統工芸を守りたいから?日本文化だから?
もちろんそれもあります。
でもそれ以上に、漆を活かす風土と文化には価値があると考えています。
漆は100年ほど前まで日本人の暮らしに欠かせない塗料であり、接着剤であり、日本で1万年ものあいだ日常のなかで利用されてきた自然素材でした。いまはプラスチックなど、便利でカラフルな石油製品に押されて漆器が少なくなり、漆自体の生産量も減って、日本国内で使用される漆の自給率は10%未満になっています。かつては全国各地に生えていたウルシの木もいまはほとんど見ることがなく、漆産地は岩手や茨城などの限られた地域にしかありません。 もはや廃れかけた日本の漆。需要のないものは消えていくのが時の流れなのかもしれません。
しかし、、それで良いのでしょうか?
漆は樹木。自然の大地と水と風と、そして人が育て生かし生かされるもの。地球のサステナビリティを考える現代だからこそ、もう一度その価値を見直し育てるときが来ています。
2015年に文化庁から重要文化財建築の修復には原則的に国産漆を使うよう通達が出されました。単純計算すれば、現在1-2トン/年しか生産量がない国産漆に対して、年によって上下はあるものの、約30トン/年の需要が生まれたことになります。いま、日本各地でウルシの木の植栽が始まりました。’植栽’とは、ただ’植え’ればいいのではありません。漆掻きができるまでの約15年、’栽培’しなければいけないのです。植えた後の下草刈りや害虫・害獣対策、異常気象も多い昨今は水害対策なども、現在ほとんどが有志のボランティアによって支えられています。
ウルシピクニックは、これらの活動を応援し、より多くの方に知ってもらい、参加してもらうための取り組みです。自然相手で大変なことも多い活動ですが、同時に楽しいことも学べることも盛りだくさん。未来に心地よいサステナブルな地球を残すための活動、参加してみませんか?
参加の方法はさまざま。
・まずはどんな取り組みがあるのかを知る。
・植栽地に行って活動に参加してみる。
・応援になるアイテムを購入する。
・SNSでシェアする
・漆器を使ってみる
日本の素敵な木と漆の文化に気づいて、「残したいな」と思ってくれる仲間を増やすこと。
それがウルシピクニックの活動です。
日本全国には、企業・NPO・教育機関・団体・自治体・個人など、様々なかたちや取り組みがあります。ウルシピクニックは、これらの活動を紹介し応援しているほか、日本のサステナブルな木と漆の文化を学び楽しむイベントなども実施しています。
また、大学生など多分野の人たちとの協働で商品開発を行う「ウルシの木の活用プロジェクト」を展開しています。